今後の個々の項目の編集の参考までに、交易品をある程度の分類に分けてみた。経済的に扱われることの多い交易品は経済的性質により分類するのがある意味最適で、実際に応用する際もその方が混乱が少なくて、済む。ただ、コレクター的意味での収集に意味があるか、といったらそうではなく、やはり経済的性質で見ている以上経済的な見方をした場合向け、である。どちらかというと、コレクション的意味の分類には経済的性質を超えた抽象度での分類が必要で、そういう意味では、コレクションは崇高である。その意味では、金持ちの道楽的な要素も強いのであるが、どちらかというと見る人が魅了されるのは、誰かの物好きなコレクション、のほうである。これはまた、経済的性質よりもコレクションのほうが理念が崇高だからであって、“お金で買えない価値”とは正にそのこと、である。一般庶民にとっても、モノをコレクションすることは、お金の備蓄そのものよりも重要であることが多い、ということは言っておいたほうがいいだろう。(タイトルの括弧内は、正しくは「どの交易品も(交換するのが前提という意味で)ある程度は正しく公平に値段が付けられるものである、とすればの話ではあるが。)
*交易品の経済的性質(=価格)とは
交易品とは正しくいえばここでは「世の中あるいは生活一般に必要なものとして物々交換で、あるいは何らかの対価・兌換機能を以て人々の間で交換される物品(交易は、それら交易品を生活一般あるいは経済に必要な物品として交換すること)」ですから、要は人々の生活一般やその暮らし、(の集合体である)経済に必要な物品、ということになります。そういう意味では日用品(コモディティ)から嗜好品や高級品、希少物質に至るまで交易品の分類でみれば実に様々な物品を含むのはおいておくとして、基本的には物品の交換という単純かつシンプルな経済圏を成立させる上では、必要最低限かつ絶対的に必要不可欠なもの(当たり前ですね)、ということになります。実際に、その物と物を交換して経済を成立させる行為は基本的には交易と呼ぶのですが、そういう意味では交易品はその交易という行為に必要不可欠な資源(リソース)ということになります。まぁ、多くの場合その交易品は人々の経済に必要なものですから生活に必要なもの、としても何らかの資源である場合が多いのですが、そういうふうに生活に必要だから逆に相対的価値が付く(その時点での価格が付く)ということにもなるわけです。交易品の価格は「その」時点が違えば時とともに変動しますから(要は基本的に普段の生活に必要なもの、となれば当然多少なりとも距離の離れたところから持ってこないといけない、となれば需要と供給の線に差が出るわけですから、その(需給曲線ともいいますが)曲線の変動に応じて(というかその曲線自体がその変動を表したものなのですが)価格は変動するわけです。物品、交易品の価格は時とともに変動するものですが、基本的にそれら物品が食品であれば当然穀物・野菜など植物の場合は生産に適した時期、および一年の中で最盛期があるわけですから、大量に出回る出荷に適した時期とまったく逆の季節のそうでない閑散期とがあります。かたや、衣類など繊維・織物や家具などの工芸品などもそれぞれ原料の植物や動物の体毛、あるいは家具であれば材料の木材など栽培・収集・生産活動に適した時期がある以上、それぞれ比較的多く生産される旬の時期というものがありますから、当然そう多く出回る時期は相対的に個々の値段が下がりますし(供給が大概の場合需要を上回るため)、逆に生産最盛期あるいは生産に適した時期と逆のそう出回らない時期は、相対的に需要のある土地・場所では価格が上昇します(供給が需要を下回るため、市場にてその物品が不足するため価格が上がる)。この大きく見て半年から一年そこらのある物品の生産量(出荷量)と必要量(需要)を相対的に図式化したのがよくいう需給曲線、というもので(現代における機械製品などその原料の生産が時期や季節に影響されにくいものはもう少しその期間が伸びるが)、その需給曲線においてある物品の需要が供給量を上回ればその場(まぁ、市場ともいうが)においての価格は相対的に上昇するわけだし、逆に供給量が需要を上回れば、その場(市場)においては余って相対的に値段が下がる、というわけなのである。ということを踏まえると交易品にはそれぞれ値段の上がりやすい時期と比較的値段の下がりやすい時期とがあって(比較的としたのはどの物品も交易品、生活に必要な品であれば相対的に供給量よりも需要が優位に働くため、常にある一定の最低限量はどこかで必要とされている、という前提が成り立つと考え得るため)、そういう意味での価格の時期などによる上下と根本的な需要の波(トレンド、流行ともいう)などによる世の中に必要とされる量の変動を総括的に交易品の経済的性質、とまとめたものであり、またそれらはほぼ常に価格、あるいは相対的値段として表れるため、括弧でイコール、としたわけです。もちろん、これは貨幣など通貨の介在を前提とした場合での表現であり、例えば通貨としての貨幣が存在せず物品同士の交換(いわゆる物々交換)を前提とした場合の交換比率(レート)は単純にいえば貨幣などが介在する場合のその価格とある時点、同一の場所においてはほぼ同価値であるとも考えられるわけだし、あるいは物品同士の交換の場合は、相対的価値の交換になるため、それぞれの相場(その場においてのその時点での需要度)が基準となる物品あるいは物の価値を計る基準となる貨幣や度量衡になる物質(100%時、つまり平価、全く正常だったときの平均的な基準価格)との差で、その時点での相場の差がどれくらいあるか、によって、つまりその時点での相対的価値の差によって物品同士の交換比率(レート)が決まる、あるいは変動すると考えられるわけです。まぁ、いずれにせよ金属などの貨幣がその時点での物品の価格あるいはその価格の差を保障しているという事実を差し置いてでも大体その時点、ある場所での物の価格というものはその場所においての経済的、あるいは習慣上の合理的な理由によって決まっていることが多い、ほとんどと考えられるわけだが、大まかにいえばどの場所でもその需給とその場と経済的、あるいはその生活などの習慣的特質によってその場での価格、あるいは相対的な相場が決まっている、と容易に推測し得る、わけである。まぁ、早い話物品の価格や相場差というものはその場における需給やあるいは経済的、あるいは生活上の習慣的、その他合理的な理由で決まるものであって、交易品の経済的性質という言葉はその物品の価格の性質や特質、と思ってもらったほうが早いかと思う。長くなったが、これに関しては以上で。
経済的性質(価格)で見た場合は……
- 供給が安定していて、需要のバランスによって相場が上下しやすいもの(日用品)
- その時の需要はまちまちだが、需給バランスやトレンドによって需要・供給、相場が左右されやすいもの(工業品・一部の奢侈品)
- その生産の手間から需給バランスではなく全体的なトレンドによって相場が左右されやすいもの、投資向け(奢侈品、一部の高級品)
- 生産量、供給量ともに入手の難しい希少価値の高いもの?。嗜好・羨望の的であることはおろかそれそのものが通貨になることも(高級品)
交易の優先度(プライマリー)で見た場合の取引するべき順序(主に経済的視点から)
交易の優先度というと、若干その出荷や輸出入をするいわゆる業者や商人に偏った言葉と思われるかもしれないが、実際にはその場における交易品、物品は基本的にまずそれを生産する生産地現地の業者と、それを現地で仲買あるいは輸出に至るまでの商人、それからそれを必要とされている土地まで運ぶ、届ける役目の商人あるいはその船あるいは馬車などの所有者(まぁ船主なども運搬実績などに応じて利用料、貸出料などを得られるという点においては商人とほぼ変わらないのであるが)、さらに輸出先、つまり輸入港で待ち受けて輸入を担当する荷運びやもっといえば税関の役人、あるいは輸入業を営む商人そのもの、さらに現地の市場に売りにかける商人や業者を介して一連の交易品、物品の生産から輸出、船などでの運搬そして輸入港現地での輸入、さらに現地市場での売り出しに至るまで実に多くの仲介者や業者、あるいはいわゆる商人の手を介して交易あるいはその物品の輸出入は行われているわけで、そういう意味では仲介人や業者や商人の存在なしでは物品の交換、交易は成立し得ないわけで、その意味では必ずしも偏った表現、というよりは物品が取引される状態である、交易品というものを差し計って観る場合はひとつの有用な基準になり得る、と思われるのでここに記しておく。また括弧内の経済的視点というものは単にそれら物品の生産や出荷、輸出入、それから輸入港現地で売り出されるまで交易品、物品が一連の経済圏の中で(多かれ少なかれ)成り立っていると考えられるので、単にそういう意味での取引順序などの有利不利などでの経済的視点で、という意味で、である。では、以下はその価格をベースにした基本的な分類である。
- 供給量が安定していて損の少ないもの、単価が低いことが多い(主に日用品)
- 需給よりもトレンドで相場が左右されることの多い、当たれば儲けの大きいもの。かといって相対的生産量は少なく、潜在的需要は大きいもの(奢侈品)
- (3,4はほぼ順不同)全体的なトレンドで相場が変動することが多いもの、基本的に希少価値の高いもの、それゆえかさばらないのもいい(高級品)
- 需要に関わらず供給量やトレンドによって相場が上下することの多いもの。潜在的な需要は大きいためその時々の需要はさほど重要ではない。安定生産されていれば確実に運べば大きな利益が期待できる。ただ、バルクともいい割と単価が安いのでかさが張ることも多い。海路の場合は積載量の多い輸送船が必要となる(主に工業品など)
交易品の需要と供給や価格などの諸概念については、一応以上となります。また、交易品は世の血液となりその世界を知るものとなります。如何に世界を巡り世界を跨ぎ世界を知るか、交易品の主隗たるものはまさにその血塊たる部分にあります。世が集まり、そして世が流れていく、それそのものが交易品、なのです。
画像・創作物等の取り扱い・注意事項について〜。
基本的に既存のネットのルールにもとづいて転載・コピー禁止等明示がある場合は不可、文章等文字の引用はフリー、私的利用・引用可等指示がある場合は可。SNS等独自筐体の場合は個別のルール。 画像等単独での転載は基本不可。 このサイトの画像・創作物についてのガイドラインは、以上になりますー。
Seesaa Wiki関連リンク